おはようございます。
先日も開催いたしましたねこづくり教室では、2日間ご一緒する皆さんと、まずはじめに自己紹介をします。
この時私は、講師の美香さんにご許可もいただいて、普段から心を痛めている、日本で暮らす移民・難民の方々が抱える困難についてお話ししました。
特に、仮放免と呼ばれる立場に置かれている外国籍の方々への仕打ち。
存在すること、生きることをまるで否定するかのような日本の国の形は、どこへ向かうのでしょう。
そんな疑問を抱えた自分の自己紹介を終えて、始まったねこづくり教室。
B日程の2日目のお昼時、この夏インドを一人で3週間旅していらしたTさんが、こんなお話をしてくださいました。
洋裁と愉しみ 多多。
今日は、9:30〜17:00の営業です。
いつもありがとうございます。
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インド旅行中、飛行機のチケットを買うために長蛇の列に並んだTさん。
その両側も、長蛇の列。
やっと自分の番になった時、受け付けスタッフの方の胸に
“No hear. No speak.”
のワッペンがついていることに気づきました。
最初はその意味が分からなかったそうですが、チケット購入のためのやり取りが上手くいかず、耳が聞こえないスタッフさんだと理解しました。
そのスタッフさんは隣の列の担当の方を呼び、二人でTさんの手続きを進めてくれています。
その間、Tさんの後ろも、もちろん隣も長蛇の列。
でも、怒る人や文句を言う人は誰も居なかったそうです。
耳が不自由な方も、聴者と同じ職を持ち、同じ場所で働くことが当たり前の社会が素敵だと思ったんです、とTさんはお話しくださいました。
誰もが当たり前に暮らせる社会。
豊かな、そんな社会。国。街。
思い描いたら、涙が出てきました。
Tさんは旅の3週間、インドの方々との素晴らしい出会いに恵まれ、布の木版プリント工房や博物館など、あちこちを巡ることが出来たそうです。
ねこづくり教室の後、その旅の思い出の布を広げながら色んなお話をしてくださいました。
そんなTさんと、インドを旅する夢も生まれた多多店主です。
いつか必ず。
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Tさんが帰国した時、偶然東京の大倉集古館で開催されていた、インドの染織の美術展の図録を貸していただきました。
店頭に展示してありますので、ぜひご覧ください☺︎