おはようございます。
実家が転勤族だったので、子どもの頃に一時期、青森県に住んでいました。
薄曇りの空の下、真っ白いケーキのような雪を踏みしめて登校していた朝。
月明かりに光る雪の上。
聞こえるのは、自分の足音だけの静かな世界だった、部活の帰り道。
一番好きな季節が冬なのは、青森県に居た頃のあの景色がずっと胸に残っているからだと思います。
今日は、その青森県にまつわるお知らせです。
土曜日の本日は1時間長く、9:30〜18:00の営業です。
ご来店をお待ちしております。
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【小さい八幡馬発売のお知らせ】
多多を通じてご縁があり、この度、青森県八戸市の郷土玩具「八幡馬」を販売させていただけることになりました。
作者の大久保優子さん @chiisaiyawatauma は、青森県八戸市で今も八幡馬を作るお父様の背中を追い、ここ松本市で「小さい八幡馬」の屋号で手のひらサイズの八幡馬を作っていらっしゃいます。
八戸の歴史と、そこに生きた人々の営みを宿したような八幡馬。
ご紹介文を優子さんからお預かりしましたので、ぜひご覧くださいませ。
〜 作者 大久保優子さんより 〜
はじめまして。
「 小さい八幡馬(やわたうま)」を作成している大久保優子です。
この度多多さんのご厚意で、「小さい八幡馬」を明るくて居心地のいい多多さんのアトリエに置いていただく事になりました。
「小さい八幡馬」は、代々鉈(なた)で作られていた大きさ約10センチから60センチ近いものまである「八幡馬」を、持ち歩いたりお部屋の小スペースに飾ったりできるようにと、手のひらサイズに小さく作りました。
「八幡馬」は青森県八戸市の郷土玩具で、ピンと立ったたてがみと尾っぽ、胸部の丸みを帯びたやわらかいシルエットが特徴的な馬の置物です。
八戸地方では、子どもの健やかな成長を願って神棚に飾られていたりしています。
是非多多さんのアトリエにお越しいただいて、直接ご覧になっていただけたら幸いです🍀
<八幡馬の作られ方>
八幡馬は、桂、青森ヒバの木材を、主に鉈を使って削り上げ、たてがみと尾っぽを付け、色を塗り、花嫁が乗った馬の盛装を千代紙と鈴を模した白い点々で表し、手綱、あぶみを手書で仕上げます。
「 小さい八幡馬」は小さいので、糸鋸で切り出した後、彫刻刀を使って削り、後は「八幡馬」と同様に仕上げます。木材は朴、青森ヒバを使います。
<八幡馬の起源について>
その起源は今から約800年前の鎌倉時代に遡ると言われていますが、大久保家では明治初年(1868年)高祖父にあたる初代重吉が、種池の泥の中から馬の脚のような形をした木片を拾い、それを手本として創作したと伝えられています。
名馬の産地であった八戸では、馬市が櫛引八幡宮(南部藩総鎮守、八幡馬ゆかりの神社)で開かれ、売られていく愛馬の安寧を願って、その身代わりに八幡馬が作られたと言われています。
(参考文献 茂木明子著『八戸の郷土玩具「八幡馬」と蒼前信仰』)